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吾輩は猫である-第88章

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韧袱瑜Δ恕⒆约氦魏挝铯悉胜胜姷保à堡螭趣Γ─膜瓙櫍à耍─い纫姢à啤⑵缴檩X蔑(けいべつ)している猫に向ってさえかような伲鼏枻颏堡毪韦扦ⅳ恧ΑH碎gは生意気なようでもやはり、どこか抜けている。万物の霊だなどとどこへでも万物の霊を担(かつ)いであるくかと思うと、これしきの事実が理解出来ない。しかも恬(てん)として平然たるに至ってはちと一 (いっきゃく)を催したくなる。彼は万物の霊を背中(せなか)へ担(かつ)いで、おれの鼻はどこにあるか教えてくれ、教えてくれと騒ぎ立てている。それなら万物の霊を辞職するかと思うと、どう致して死んでも放しそうにしない。このくらい公然と矛盾をして平気でいられれば愛嬌(あいきょう)になる。愛嬌になる代りには馬鹿をもって甘(あまん)じなくてはならん。

吾輩がこの際武右衛門君と、主人と、細君及雪江嬢を面白がるのは、単に外部の事件が愫希à悉沥ⅳ铮─护颏筏啤ⅳ饯毋合せが波動を乙(おつ)なところに伝えるからではない。実はその愫悉畏错懁碎gの心に個々別々の音色(ねいろ)を起すからである。第一主人はこの事件に対してむしろ冷淡である。武右衛門君のおやじさんがいかにやかましくって、おっかさんがいかに君を継子(ままこ)あつかいにしようとも、あんまり驚ろかない。驚ろくはずがない。武右衛門君が退校になるのは、自分が免職になるのとは大(おおい)に趣(おもむき)が摺ΑG私紊饯撙螭释诵¥摔胜盲郡椤⒔處煠庖率长瓮荆à撙粒─烁Fするかも知れないが、古井武右衛門君一人(いちにん)の呙嗓浠筏瑜Δ取⒅魅摔纬Γà沥绀Δ护─摔悉郅趣螭砷v係がない。関係の薄いところには同情も自(おのず)から薄い訳である。見ず知らずの人のために眉(まゆ)をひそめたり、鼻をかんだり、嘆息をするのは、決して自然の傾向ではない。人間がそんなに情深(なさけぶか)い、思いやりのある動物であるとははなはだ受け取りにくい。ただ世の中に生れて来た賦税(ふぜい)として、時々交際のために涙を流して見たり、気の毒な顔を作って見せたりするばかりである。云わばごまかし性(せい)表情で、実を云うと大分(だいぶ)骨が折れる芸術である。このごまかしをうまくやるものを芸術的良心の強い人と云って、これは世間から大変珍重される。だから人から珍重される人間ほど怪しいものはない。試して見ればすぐ分る。この点において主人はむしろ拙(せつ)な部類に属すると云ってよろしい。拙だから珍重されない。珍重されないから、内部の冷淡を存外隠すところもなく発表している。彼が武右衛門君に対して「そうさな」を繰り返しているのでも這裏(しゃり)の消息はよく分る。諸君は冷淡だからと云って、けっして主人のような善人を嫌ってはいけない。冷淡は人間の本来の性伲扦ⅳ盲啤ⅳ饯涡再|をかくそうと力(つと)めないのは正直な人である。もし諸君がかかる際に冷淡以上を望んだら、それこそ人間を買い被(かぶ)ったと云わなければならない。正直ですら払底(ふってい)な世にそれ以上を予期するのは、馬琴(ばきん)の小説から志乃(しの)や小文吾(こぶんご)が抜けだして、向う三軒両隣へ八犬伝(はっけんでん)が引き越した時でなくては、あてにならない無理な注文である。主人はまずこのくらいにして、次には茶の間で笑ってる女連(おんなれん)に取りかかるが、これは主人の冷淡を一歩向(むこう)へ跨(また)いで、滑稽(こっけい)の領分に躍(おど)り込んで嬉しがっている。この女連には武右衛門君が頭痛に病んでいる艶書事件が、仏陀(ぶっだ)の福音(ふくいん)のごとくありがたく思われる。理由はないただありがたい。強いて解剖すれば武右衛門君が困るのがありがたいのである。諸君女に向って聞いて御覧、「あなたは人が困るのを面白がって笑いますか」と。聞かれた人はこの問を呈出した者を馬鹿と云うだろう、馬鹿と云わなければ、わざとこんな問をかけて淑女の品性を侮辱したと云うだろう。侮辱したと思うのは事実かも知れないが、人の困るのを笑うのも事実である。であるとすれば、これから私(わたし)の品性を侮辱するような事を自分でしてお目にかけますから、何とか云っちゃいやよと断わるのと一般である。僕は泥棒をする。しかしけっして不道徳と云ってはならん。もし不道徳だなどと云えば僕の顔へ泥を塗ったものである。僕を侮辱したものである。と主張するようなものだ。女はなかなか利口だ、考えに筋道が立っている。いやしくも人間に生れる以上は踏んだり、蹴(け)たり、どやされたりして、しかも人が振りむきもせぬ時、平気でいる覚悟が必用であるのみならず、唾を吐きかけられ、糞をたれかけられた上に、大きな声で笑われるのを快よく思わなくてはならない。それでなくてはかように利口な女と名のつくものと交際は出来ない。武右衛門先生もちょっとしたはずみから、とんだ間摺颏筏拼螅àぃ─丝证烊毪盲皮悉い毪瑜Δ胜猡韦巍ⅳ瑜Δ丝证烊毪盲皮毪猡韦蚴aで笑うのは失敬だとくらいは思うかも知れないが、それは年が行かない稚気(ちき)というもので、人が失礼をした時に怒(おこ)るのを気が小さいと先方では名づけるそうだから、そう云われるのがいやならおとなしくするがよろしい。最後に武右衛門君の心行きをちょっと紹介する。君は心配の権化(ごんげ)である。かの偉大なる頭脳はナポレオンのそれが功名心をもって充満せるがごとく、まさに心配をもってはちきれんとしている。時々その団子っ鼻がぴくぴく動くのは心配が顔面神経に伝(つたわ)って、反射作用のごとく無意識に活動するのである。彼は大きな鉄砲丸(てっぽうだま)を飲み下(くだ)したごとく、腹の中にいかんともすべからざる塊(かた)まりを抱(いだ)いて、この両三日(りょうさんち)処置に窮している。その切なさの余り、別に分別の出所(でどころ)もないから監督と名のつく先生のところへ出向いたら、どうか助けてくれるだろうと思って、いやな人の家(うち)へ大きな頭を下げにまかり越したのである。彼は平生学校で主人にからかったり、同級生を煽動(せんどう)して、主人を困らしたりした事はまるで忘れている。いかにからかおうとも困らせようとも監督と名のつく以上は心配してくれるに相摺胜い刃扭袱皮い毪椁筏ぁK娣謪g純なものだ。監督は主人が好んでなった役ではない。校長の命によってやむを得ずいただいている、云わば迷亭の叔父さんの山高帽子の種類である。ただ名前である。ただ名前だけではどうする事も出来ない。名前がいざと云う場合に役に立つなら雪江さんは名前だけで見合が出来る訳だ。武右衛門君はただに我儘(わがまま)なるのみならず、他人は己(おの)れに向って必ず親切でなくてはならんと云う、人間を買い被(かぶ)った仮定から出立している。笑われるなどとは思も寄らなかったろう。武右衛門君は監督の家(うち)へ来て、きっと人間について、一の真理を発明したに相摺胜ぁ1摔悉长握胬恧韦郡幛私搐蓼工蓼贡镜堡稳碎gになるだろう。人の心配には冷淡になるだろう、人の困る時には大きな声で笑うだろう。かくのごとくにして天下は未来の武右衛門君をもって充(み)たされるであろう。金田君及び金田令夫人をもって充たされるであろう。吾輩は切に武右衛門君のために瞬時も早く自覚して真人間(まにんげん)になられん事を希望するのである。しからずんばいかに心配するとも、いかに後悔するとも、いかに善に移るの心が切実なりとも、とうてい金田君のごとき成功は得られんのである。いな社会は遠からずして君を人間の居住地以外に放逐するであろう。文明中学の退校どころではない。

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十 … 18

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かように考えて面白いなと思っていると、格子(こうし)ががらがらとあいて、玄関の障子(しょうじ)の蔭から顔が半分ぬうと出た。

「先生」

主人は武右衛門君に「そうさな」を繰り返していたところへ、先生と玄関から呼ばれたので、誰だろうとそっちを見ると半分ほど筋摺à工袱ぃ─苏献婴槭常à希─叱訾筏皮い腩啢悉蓼丹筏戮扦ⅳ搿!袱ぁ⒂@入(おはい)り」と云ったぎり坐っている。

「御客ですか」と寒月君はやはり顔半分で聞き返している。

「なに構わん、まあ御上(おあ)がり」

「実はちょっと先生を誘いに来たんですがね」

「どこへ行くんだい。また赤坂かい。あの方面はもう御免だ。せんだっては無闇(むやみ)にあるかせられて、足が棒のようになった」

「今日は大丈夫です。久し振りに出ませんか」

「どこへ出るんだい。まあ御上がり」

「上野へ行って虎の鳴き声を聞こうと思うんです」

「つまらんじゃないか、それよりちょっと御上り」

寒月君はとうてい遠方では談判不眨人激盲郡猡韦⒀イ蛲绚い扦韦饯韦缴悉盲评搐俊@韦搐趣笊à
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